ユニットバランスは、戦略ゲームの面白さを大きく左右します。
強すぎるユニットが1体でもあると、戦略は単調になりがちです。
逆に、役割と相性がうまく噛み合えば、選択の幅が広がり、考える楽しさが生まれます。
この記事では、初心者でも実践しやすい「ユニットバランス設計の考え方」を、具体例とあわせて解説します。
✨ この記事でわかること
- ユニットに役割を持たせる考え方
- 相性システムを使ったバランス調整の基本
- 性能とコストを釣り合わせる方法
- 初心者でもできるプレイテストの進め方
- そのまま使える実装例とコード

最初から完璧なバランスを目指す必要はありません。
まずは「このユニットは何をする役なのか」を決めるだけで、調整はぐっと楽になります。
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ユニットの役割設計

ユニットの役割設計は、戦略ゲームにおける「考える余地」を作るための土台です。
各ユニットの強みと弱みをあらかじめ決めておくことで、プレイヤーは「どのユニットを使うか」「どう組み合わせるか」を考えるようになります。

このセクションでは、初心者でも迷いにくい役割設計の考え方と、そのまま実装につなげられる設計方法を紹介します。
役割設計を行うメリット
役割を決めずにユニットを作ると、すべてが「そこそこ強いユニット」になりがちです。
その結果、どのユニットを使っても大差がなく、戦略性が生まれません。
役割設計を理解すると、次のようなメリットがあります。
- ユニットごとの存在意義が明確になる
- プレイヤーに編成の選択肢を与えられる
- 後からバランス調整がしやすくなる
まずは難しく考えず、「このユニットは何を担当するのか」を決めることが重要です。
基本役割の種類
戦略ゲームでは、あらかじめ役割の型を用意しておくと設計が安定します。
代表的な役割を知っておくことで、新しいユニットを追加する際も迷いにくくなります。
✅ 基本役割の種類
- タンク:高HP・高防御が特徴。前線に立ち、敵の攻撃を引き受ける役割
- アタッカー:高攻撃力が特徴。主にダメージを与える役割
- サポート:回復や強化など、味方を支援する役割
- スカウト:移動力や索敵能力に優れ、戦況を動かす役割
これらを組み合わせることで、「タンクで守り、アタッカーで攻め、サポートで支える」といった戦略的な選択が生まれます。
ユニットデータ構造を用意する理由
役割を決めたら、それをデータとして扱える形にする必要があります。
数値や相性をまとめて管理できれば、後から調整するときも作業が楽になります。
ここでは、Unityで使いやすいユニットデータ構造の一例を紹介します。
ユニットデータ構造の例(C#)
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using UnityEngine; public enum UnitRole { Tank, // タンク Attacker, // アタッカー Support, // サポート Scout // スカウト } [System.Serializable] public class UnitData { public string unitName; public UnitRole role; public int maxHP; public int attack; public int defense; public int speed; public int cost; // 生産コスト public List<UnitRole> strongAgainst = new List<UnitRole>(); // 有利な相手 public List<UnitRole> weakAgainst = new List<UnitRole>(); // 不利な相手 } public class UnitBalanceManager : MonoBehaviour { public List<UnitData> unitDatabase = new List<UnitData>(); public UnitData GetUnitData(string unitName) { return unitDatabase.Find(u => u.unitName == unitName); } public float CalculateEffectiveness(UnitData attacker, UnitData defender) { float effectiveness = 1.0f; // 相性による補正 if (attacker.strongAgainst.Contains(defender.role)) { effectiveness = 1.5f; // 有利な相手にはダメージ増加 } else if (attacker.weakAgainst.Contains(defender.role)) { effectiveness = 0.75f; // 不利な相手にはダメージ減少 } return effectiveness; } } |
このようにデータ構造を用意しておくと、「どの役割が、どの役割に強いのか」を数値で管理できます。
役割が理解できると何ができる?
ここまでの内容を理解すると、次のようなことが可能になります。
- ユニットを感覚ではなく、役割ベースで設計できる
- 強すぎる・弱すぎる原因を役割から分析できる
- 新しいユニットを追加するときの指針ができる
役割設計が固まれば、この後に解説する「相性」や「コスト調整」も、一貫性を持って進められるようになります。
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相性システムの実装

相性システムは、ユニット同士の関係性を数値で表現する仕組みです。
単純なステータス勝負だけでなく、「この組み合わせは有利」「この相手には分が悪い」といった状況を作ることで、プレイヤーに判断材料を与えられます。
相性を理解できると何ができる?
相性の考え方を取り入れると、ゲームの展開に次のような変化が生まれます。
- 同じユニット編成でも、相手次第で結果が変わる
- 有利・不利を考えた立ち回りが必要になる
- 強いユニット一択になりにくくなる
相性は、戦略性を生み出すための「調整用のレバー」として機能します。
相性計算の考え方
相性は一つの要素だけで決める必要はありません。
役割による相性と、ステータス差による影響を組み合わせることで、自然な結果を作りやすくなります。
ここでは、次の2つを掛け合わせて相性を計算します。
- 役割同士の相性
- 攻撃力と防御力の差
相性計算システムの実装例
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public class UnitMatchupSystem : MonoBehaviour { public UnitBalanceManager balanceManager; public float GetMatchupMultiplier(UnitData attacker, UnitData defender) { // 基本倍率 float multiplier = 1.0f; // 役割による相性補正 multiplier *= GetRoleMatchup(attacker.role, defender.role); // ステータス差による補正 multiplier *= GetStatMatchup(attacker, defender); return multiplier; } float GetRoleMatchup(UnitRole attacker, UnitRole defender) { // アタッカーはタンクに強い if (attacker == UnitRole.Attacker && defender == UnitRole.Tank) { return 1.2f; } // アタッカーはサポートに特に強い if (attacker == UnitRole.Attacker && defender == UnitRole.Support) { return 1.3f; } // アタッカーはスカウトにも有利 if (attacker == UnitRole.Attacker && defender == UnitRole.Scout) { return 1.2f; } return 1.0f; } float GetStatMatchup(UnitData attacker, UnitData defender) { // 攻撃力と防御力の差を計算 int statDiff = attacker.attack - defender.defense; // 差に応じて倍率を調整 return 1.0f + (statDiff * 0.05f); } } |
この仕組みによって、「役割的に有利かどうか」と「数値的に押しているかどうか」を同時に評価できるようになります。
相性倍率をどう考えればいい?
相性倍率は大きくしすぎると、相性がすべてを決めてしまうゲームになります。
逆に小さすぎると、相性を考える意味が薄れてしまいます。

相性は、±20%程度が基準です。
戦術に影響は出ますが、逆転の余地も残せます。
この基準を使えば、相性を「勝敗を決める要素」ではなく、「判断を後押しする要素」として扱えます。
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コストバランスの調整

コストは、ユニットの強さを間接的に制御するための重要な要素です。
性能そのものを弱くしなくても、コストを調整するだけで「使いどころ」を限定できます。

この仕組みを理解すると、極端な弱体化をせずにバランスを取れるようになります。
コストを理解できると何ができる?
コスト設計を意識すると、次のような調整が可能になります。
- 強力なユニットを連発できないようにする
- 安価なユニットにも存在価値を持たせる
- 編成や生産順に戦略的な判断を生み出す
コストは「強さの対価」として機能します。
コストを数値化する考え方
感覚だけでコストを決めると、後から調整するときに基準が分からなくなります。
そこで、ステータスと役割をもとに、ある程度機械的にコストを算出できる仕組みを用意します。
この方法なら、数値を変更したときの影響も把握しやすくなります。
コスト計算システムの実装例
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public class UnitCostBalanceSystem : MonoBehaviour { public int CalculateUnitCost(UnitData unit) { int baseCost = 100; // ステータスによるコスト計算 int statCost = (unit.maxHP / 10) + (unit.attack * 2) + (unit.defense * 2) + (unit.speed); // 役割によるコスト補正 float roleMultiplier = GetRoleCostMultiplier(unit.role); return Mathf.RoundToInt(baseCost + statCost * roleMultiplier); } float GetRoleCostMultiplier(UnitRole role) { switch (role) { case UnitRole.Tank: return 1.2f; // 耐久力が高いためコストを上げる case UnitRole.Attacker: return 1.0f; // 基準となる役割 case UnitRole.Support: return 0.8f; // 直接火力が低いため抑えめ case UnitRole.Scout: return 0.9f; // 機動力は高いが戦闘力は控えめ default: return 1.0f; } } public bool IsCostBalanced(UnitData unit) { int calculatedCost = CalculateUnitCost(unit); int costDifference = Mathf.Abs(calculatedCost - unit.cost); // 差が10%以内なら許容範囲とする return costDifference <= calculatedCost * 0.1f; } } |
この仕組みを使うことで、「なんとなく高い」「少し安すぎる」といった感覚的な調整を、数値で確認できるようになります。
コストバランスが整うとどう変わる?
コストが適切に設定されると、ユニット選択に次のような変化が生まれます。
- 強力なユニットを使うタイミングを考えるようになる
- 安価なユニットを組み合わせる意味が出てくる
- ゲーム全体のテンポをコントロールできる
コスト調整は、ユニット性能を壊さずにゲーム性を整えるための手段として、非常に扱いやすい要素です。
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実プレイテストの方法

数値上のバランスが整っていても、実際に遊んでみると想定と違う結果になることは珍しくありません。

プレイテストは、「計算上は正しい設計」を「遊んで納得できる設計」に近づけるための工程です。
プレイテストを理解できると何ができる?
実プレイテストを取り入れることで、次のような判断ができるようになります。
- 数値では問題ないのに使われないユニットを見つけられる
- 特定のユニットに戦略が偏っていないか確認できる
- 調整すべき箇所を感覚ではなく根拠を持って判断できる
プレイテストは、「違和感の正体」を探す作業でもあります。
よくあるバランステストの失敗例
初心者が陥りやすい失敗には、いくつか共通点があります。
- テスト回数が少なく、たまたまの結果で判断してしまう
- 自分の得意な戦い方だけでテストしてしまう
- 強いユニットだけを基準に調整してしまう
これらを避けるためには、複数の編成や状況を意識的に試すことが重要です。
バランステストを支援する仕組み
プレイテストをすべて手作業で行うのは大変です。
そこで、数値面のズレを事前にチェックする仕組みを用意します。
バランステストシステムの実装例
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public class UnitBalanceTester : MonoBehaviour { public UnitBalanceManager balanceManager; public UnitCostBalanceSystem costSystem; public void RunBalanceTests() { Debug.Log("=== ユニットバランステスト開始 ==="); foreach (var unit in balanceManager.unitDatabase) { // コストバランスの確認 bool costBalanced = costSystem.IsCostBalanced(unit); if (!costBalanced) { Debug.LogWarning($"{unit.unitName}: コストと性能が噛み合っていません"); } // ステータス配分の確認 bool statsBalanced = CheckStatBalance(unit); if (!statsBalanced) { Debug.LogWarning($"{unit.unitName}: ステータス配分に偏りがあります"); } } Debug.Log("=== ユニットバランステスト終了 ==="); } bool CheckStatBalance(UnitData unit) { // 総ステータスを算出 int totalStats = unit.maxHP + unit.attack + unit.defense + unit.speed; // 役割ごとの目安値 int expectedStats = GetExpectedStats(unit.role); // 10%以内なら許容範囲 int difference = Mathf.Abs(totalStats - expectedStats); return difference <= expectedStats * 0.1f; } int GetExpectedStats(UnitRole role) { switch (role) { case UnitRole.Tank: return 400; // 耐久寄り case UnitRole.Attacker: return 350; // 攻撃寄り case UnitRole.Support: return 300; // 支援寄り case UnitRole.Scout: return 320; // 機動寄り default: return 350; } } } |
この仕組みを使うことで、極端にズレたユニットを早い段階で洗い出せます。
数値テストと実プレイの使い分け
注意したいのは、このテストだけでバランスが完成するわけではない点です。
- 数値テスト:明らかな偏りを見つける
- 実プレイ:遊んだときの違和感を確認する
数値は問題ないのに「使っていて面白くない」場合、調整すべきポイントはステータス以外(操作感・スキル効果・演出など)にあることもあります。
テスト結果をどう調整につなげる?
プレイテストで違和感を見つけたら、次の順序で見直すと混乱しにくくなります。
- 役割が曖昧になっていないか
- 相性が強すぎないか、弱すぎないか
- コストが実力に見合っているか
この順で確認すると、行き当たりばったりの調整を避けやすくなります。
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実装例:完全なユニットバランスシステム

ここまで紹介してきた仕組みは、それぞれ単体でも使えますが、組み合わせることで初めて本来の力を発揮します。
この章では、役割設計・相性・コスト・テストをまとめて管理するユニットバランスシステムの全体像を確認します。
全体を把握できると何が整理される?
仕組みを一つにまとめることで、バランス調整の考え方が次のように整理されます。
- 役割を変えたら、相性やコストへの影響が分かる
- 数値調整とプレイテストを同じ流れで管理できる
- どこを直せばよいか判断しやすくなる
バランス調整を「点」ではなく「流れ」で扱えるようになります。
システム全体をまとめるクラス
個別に作った仕組みを統括するクラスを用意すると、調整やテストの手順が明確になります。
完全なユニットバランスシステムの実装例
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using UnityEngine; public class CompleteUnitBalanceSystem : MonoBehaviour { [Header("システム")] public UnitBalanceManager balanceManager; public UnitMatchupSystem matchupSystem; public UnitCostBalanceSystem costSystem; public UnitBalanceTester tester; public void InitializeUnitBalance() { // ユニットデータの初期化 // 実際のプロジェクトでは ScriptableObject などで管理すると扱いやすくなります } public void TestBalance() { // 現在の設定でバランステストを実行 tester.RunBalanceTests(); } } |
このクラスを用意しておくと、バランス調整の入口が一箇所にまとまります。
この形で管理するメリット
全体を統合して管理すると、次のような利点があります。
- 調整手順が属人化しにくくなる
- 後から機能を追加しやすい
- バランス調整の履歴を追いやすい
特に、ユニット数が増えてきた段階で、この構成が効いてきます。
次に手を加えるならどこ?
この実装例は、あくまで基礎となる形です。ここから次のような拡張も考えられます。
- ユニット使用率を記録して調整に活かす
- 難易度別にバランス設定を切り替える
- AI専用の補正を追加する
まずは、ここまでの仕組みを一度まとめて動かしてみることが、安定した調整への近道になります。
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よくある質問(FAQ)

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あなたのオリジナルゲーム、今年こそ完成させませんか?
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実際に完成するゲームを題材に、
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仕事や学校の合間の1〜2時間でも、
「写経→改造」で自分のゲームまで作りきれる環境です。
まとめ

ユニットバランスは、役割から始めましょう。
各ユニットに明確な役割を持たせれば、戦略性が高まります。
✅ 今日から始める3ステップ
- ステップ1:ユニットの役割を設計する(所要2時間)
- ステップ2:相性システムを実装する(所要3時間)
- ステップ3:コストバランスを調整する(所要2時間)
本格的にUnityを学びたい方は、Unity入門の森で実践的なスキルを身につけましょう。
あなたのペースで、少しずつ進めていけば大丈夫です。
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