Slerpを使う際に、計算式の意味を理解しておくと、より効果的に活用できます。
「Slerpの計算式ってどういう意味?」
「パラメータをどう調整すればいい?」
「なぜ角速度が一定になるの?」
そんな疑問を抱えている方に向けて、Slerp計算式の数学的な背景から実践的な使い方まで、詳しく解説します。
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Slerp計算式の基礎

Slerpの計算式は、以下のように表されます。
Slerp(q1, q2, t) = (sin((1-t)θ) / sin(θ)) × q1 + (sin(tθ) / sin(θ)) × q2
この式で、q1は開始の回転、q2は終了の回転、tは補間の進行度(0.0〜1.0)、θは2つの回転の間の角度を表します。
数学的には、球面上を補間する複雑な式ですが、UnityではQuaternion.Slerpが自動的に計算してくれます。
計算式の意味
Slerpの計算式は、球面上を滑らかに補間するためのものです。
sin関数を使うことで、球面上の最短経路を計算します。
これにより、角速度が一定に保たれ、より自然な回転が実現できるんです。
Lerpとの違い
Lerpの計算式と比較してみましょう。
- Lerp:a + (b – a) × t(直線的な補間)
- Slerp:球面上を補間(角速度が一定)
回転をLerpで補間すると、角速度が一定にならないため、不自然な動きになります。
Slerpを使えば、角速度が一定に保たれ、滑らかな回転が実現できます。
- 球面上を滑らかに補間する
- 角速度が一定に保たれる
- 最短経路で補間される
- 回転の補間に最適
UnityでのSlerp計算式の実装

Unityでは、Quaternion.Slerpを使って回転を補間できます。
実際の実装方法を見ていきましょう。
Quaternion.Slerpの実装
回転の補間には、Quaternion.Slerpを使用します。
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Quaternion startRotation = Quaternion.Euler(0, 0, 0); Quaternion endRotation = Quaternion.Euler(0, 90, 0); float t = 0.5f; Quaternion result = Quaternion.Slerp(startRotation, endRotation, t); transform.rotation = result; |
この例では、0度から90度への回転を、0.5(50%)で補間しています。
Unityが内部で複雑な計算を行ってくれるため、簡単に使用できます。
時間ベースのtの計算
フレームレートに依存しない滑らかな回転を実現するには、時間ベースでtを計算します。
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public float rotationSpeed = 2.0f; void Update() { float t = Time.deltaTime * rotationSpeed; transform.rotation = Quaternion.Slerp(transform.rotation, targetRotation, t); } |
Time.deltaTimeは、前フレームからの経過時間を表します。
rotationSpeedを掛けることで、回転の速度を調整できます。
固定時間での回転
指定した時間で回転を完了させたい場合の例です。
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public float rotationDuration = 2.0f; private float timer = 0f; private Quaternion startRotation; private Quaternion endRotation; void Start() { startRotation = transform.rotation; endRotation = Quaternion.Euler(0, 90, 0); } void Update() { timer += Time.deltaTime; float t = timer / rotationDuration; t = Mathf.Clamp01(t); transform.rotation = Quaternion.Slerp(startRotation, endRotation, t); } |
これにより、指定した時間(rotationDuration)で回転が完了します。
Slerp計算式のパラメータ調整

Slerp計算式のパラメータを適切に調整することで、好みの動きを実現できます。
rotationSpeedパラメータの調整
rotationSpeedパラメータは、回転の速度を制御します。
値が大きいほど速く回転し、小さいほど遅く回転します。
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public float rotationSpeed = 2.0f; // デフォルト値 // 速く回転したい場合 rotationSpeed = 5.0f; // 遅く回転したい場合 rotationSpeed = 0.5f; |
一般的には、1.0から5.0の範囲が使いやすいです。
角度差による調整
回転の角度差に応じて、速度を調整する方法もあります。
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float angle = Quaternion.Angle(transform.rotation, targetRotation); float normalizedAngle = Mathf.Clamp01(angle / 180f); float speed = Mathf.Lerp(5f, 1f, normalizedAngle); // 角度が大きいほど遅く float t = Time.deltaTime * speed; transform.rotation = Quaternion.Slerp(transform.rotation, targetRotation, t); |
これにより、角度差に応じて回転速度を調整できます。
- rotationSpeedが大きすぎると、動きが不自然になる
- rotationSpeedが小さすぎると、目的回転に到達しない
- Time.deltaTimeを必ず使って、フレームレートに依存しないようにする
- tの値は0.0から1.0の範囲に収める
Slerp計算式の実装手順

※この順番を守らずに作り始めると、だいたい後で全部作り直すことになります。
- STEP1開始回転と終了回転を決定
補間したい開始回転(q1)と終了回転(q2)を決定します。Quaternion.EulerやQuaternion.LookRotationなどを使って作成。
- STEP2進行度tを計算
Time.deltaTimeとrotationSpeedを使って、進行度tを計算します。時間ベースの計算で、フレームレートに依存しない動きを実現。
- STEP3Slerp計算を実行
Quaternion.Slerpを呼び出して、補間された回転を計算します。Unityが内部で複雑な計算を行ってくれるため、簡単に使用可能。
- STEP4結果を適用
計算結果をTransform.rotationに適用します。毎フレーム呼び出すことで、滑らかな回転が実現。
- STEP5パラメータの調整
実際に動かして、rotationSpeedなどのパラメータを調整します。試行錯誤して、好みの動きを見つけましょう。
実践的な使用例

Slerp計算式を使った実践的な例を見ていきましょう。
スムーズなカメラ回転
カメラを滑らかに回転させる例です。
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public class SmoothCameraRotation : MonoBehaviour { public float rotationSpeed = 2.0f; private Quaternion targetRotation; void Start() { targetRotation = transform.rotation; } void Update() { // マウス入力から目標回転を計算 float mouseX = Input.GetAxis("Mouse X") * rotationSpeed; float mouseY = Input.GetAxis("Mouse Y") * rotationSpeed; targetRotation *= Quaternion.Euler(-mouseY, mouseX, 0); // Slerpで滑らかに回転 float t = Time.deltaTime * 5.0f; transform.rotation = Quaternion.Slerp(transform.rotation, targetRotation, t); } } |
このスクリプトにより、カメラがマウスの動きに滑らかに追従します。
オブジェクトの回転アニメーション
オブジェクトを回転させてアニメーションする例です。
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public class RotationAnimation : MonoBehaviour { public float rotationAngle = 360f; public float rotationDuration = 3.0f; private float timer = 0f; private Quaternion startRotation; private Quaternion endRotation; private bool isAnimating = false; public void StartAnimation() { startRotation = transform.rotation; endRotation = startRotation * Quaternion.Euler(0, rotationAngle, 0); timer = 0f; isAnimating = true; } void Update() { if (isAnimating) { timer += Time.deltaTime; float t = timer / rotationDuration; if (t >= 1f) { transform.rotation = endRotation; isAnimating = false; } else { transform.rotation = Quaternion.Slerp(startRotation, endRotation, t); } } } } |
これにより、オブジェクトが指定した角度だけ滑らかに回転します。
敵の回転追跡
敵がプレイヤーを滑らかに追跡する例です。
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public class EnemyRotation : MonoBehaviour { public Transform target; public float rotationSpeed = 2.0f; void Update() { if (target != null) { Vector3 direction = target.position - transform.position; Quaternion targetRotation = Quaternion.LookRotation(direction); float t = Time.deltaTime * rotationSpeed; transform.rotation = Quaternion.Slerp(transform.rotation, targetRotation, t); } } } |
これにより、敵がプレイヤーの方向へ滑らかに回転します。

まずは基本的な使い方から始めて、徐々に応用的な使い方を覚えていきましょう。
LerpとSlerpの計算の違い

LerpとSlerpの計算方法の違いを理解しておきましょう。
Lerpの計算
Lerpは直線的に補間します。
計算式:a + (b - a) × t
位置や色の補間には最適ですが、回転の補間には不向きです。
Slerpの計算
Slerpは球面上を補間します。
計算式:(sin((1-t)θ) / sin(θ)) × q1 + (sin(tθ) / sin(θ)) × q2
回転の補間には最適で、角速度が一定に保たれます。
実際の違い
実際に比較してみましょう。
回転をLerpで補間すると、角速度が一定にならないため、不自然な動きになります。
Slerpを使えば、角速度が一定に保たれ、滑らかな回転が実現できます。
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// ❌ 回転にLerpを使う(不自然な動き) transform.rotation = Quaternion.Lerp(startRot, endRot, t); // ✅ 回転にSlerpを使う(滑らかな動き) transform.rotation = Quaternion.Slerp(startRot, endRot, t); |
よくある問題と解決方法

Slerp計算式を使う際によくある問題と、その解決方法を紹介します。
最終回転に到達しない
毎フレームSlerpを呼び出す場合、理論上は最終回転に到達しません。
解決方法は、十分に近づいたら最終回転を設定すること。
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float angle = Quaternion.Angle(transform.rotation, targetRotation); if (angle < 1f) { transform.rotation = targetRotation; } else { float t = Time.deltaTime * rotationSpeed; transform.rotation = Quaternion.Slerp(transform.rotation, targetRotation, t); } |
Quaternion.Angleで角度差を取得し、十分に近づいたら最終回転を設定します。
回転が逆方向に進む
Slerpは最短経路で補間するため、大きな角度差がある場合、逆方向に回転することがあります。
これは正常な動作ですが、逆方向の回転を避けたい場合は、角度差をチェックします。
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float angle = Quaternion.Angle(startRotation, endRotation); if (angle > 180f) { // 逆方向の回転を避ける処理 endRotation = Quaternion.Inverse(endRotation); } |
動きが不自然になる
rotationSpeedが速すぎたり、遅すぎたりすると、動きが不自然に見えます。
適切な値を見つけるには、試行錯誤が必要。
一般的には、1.0から5.0の範囲が使いやすいです。
- 最終回転に到達しない → 角度差をチェックして、十分に近づいたら最終回転を設定
- 回転が逆方向 → 角度差をチェックして、必要に応じて調整
- 動きが不自然 → rotationSpeedパラメータを調整する
- 補間が遅い → Time.deltaTimeを必ず使う
Slerp計算式の学習を深めるには

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回転補間の基礎から応用まで、実際のコードと紐付けて学べるので、理解が深まりやすいはずです。
- Slerp計算式の数学的な背景と意味
- Unityでの実装方法
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まとめ

この記事では、Slerp計算式の使い方について解説しました。
Slerpの計算式は複雑ですが、UnityのQuaternion.Slerpを使えば簡単に実装できます。
回転の補間には最適で、角速度が一定に保たれるため、滑らかな回転が実現可能。
「計算式って難しそう💧」と感じる方もいるかもしれませんが、Unityが自動的に計算してくれるので、基本的な使い方を覚えれば様々な場面で活用できます。
まずは簡単な回転から始めて、徐々に応用的な使い方を覚えていきましょう。
- Slerpの計算式は球面上を補間するためのもの
- UnityのQuaternion.Slerpが自動的に計算してくれる
- 角速度が一定に保たれるため、滑らかな回転が実現できる
- Time.deltaTimeを使ってフレームレートに依存しない動きを実現する
- rotationSpeedパラメータで回転の速度を調整できる
まずは簡単な回転から始めて、徐々に応用的な使い方に挑戦していきましょう。
Unity入門の森では、Slerp計算式の基礎から応用まで、実践的な知識を体系的に学べる環境が整っています。
疑問があれば、ぜひ活用してみてください。
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